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    テレビがもたらす驚異的な没入体験型ゲーミング開拓をもう一度 ~Tony Hawk 談~

    Tony Hawk がスケートボードを無名のサブカルチャーから世界的メインスポーツへと押し上げたとすれば、彼を象徴するゲームがこのスポーツを誰もが知るタレントパイプラインの種をまいたと評価できるかもしれません。プロスケートのレジェンドが証言するとおり、Tony Hawk's™ Pro Skater™ はゲーマーをより進化した自分へとアップデートさせました。彼らはゲーム内で自分自身の創造性を磨き、我を忘れながら宙に浮き上がります。そして彼らの多くが現実のスケーターとなり、スクリーンからストリートへと活躍の場を広げるようになりました。

    10 種類以上のエディションやスピンオフタイトルを経て、ゲームはコアなファンから THPS と呼ばれ、没入体験型スケートボードゲームのベンチマークとなりました。その多くは、開発者やエンジニアが画面上に投影できるもの、つまりソフトウェアとハードウェアの融合、コンソールやテレビを利用して、Tony Hawk や多くの技術者が思い描いていたものを実現しました。優れたデジタル作品を生み出すこのテクノロジーは、リビングルームの真ん中で、今まさに没入感をさらに深化させるルネサンスの花を開きつつあります。

    「テクノロジーがまさにもっとも熱い時代の中で、すべてが具現化していくことが、非常に嬉しいです」- Tony Hawk

    なぜ、没入感なのか

    テレビは背景のノイズから絶対に見逃すことのできないコンテンツにいたるまで、幅広いエクスペリエンスを可能にします。後者に近づくほど、エクスペリエンスはより没入感を増し、すべてはテクノロジーの進化があるからこそなせる技といえるでしょう。世界第 4 位のファブレス半導体サプライヤー、MediaTek のチップセットは、最新テレビに搭載され、ユーザーを魅了するレベルの画質と応答性を具現化しつつ、まるで現実であるかのような仮想世界の中心にユーザーを誘います。まさにこれこそ、ゲームがゲームであるための肝なのです。

    没入体験型コンテンツによって、ゲーマーは自分自身をより存分に表現できるのです。プレイヤーはより深みのある、感動的なストーリーを体感できます。これこそ Tony Hawkが 20 年以上前に思い描いていたコンセプトでした。すなわち、ゲームプレイヤーは自分自身ばかりでなく、Bob Burnques、Elissa Steamer など他のプロスケーターになりきってボードを操るという体験を創り出せることです。オリジナル版 THPS は、当時利用できたテクノロジーを最大限活用することで実現し、ゲーマーたちを魅了しました。ゲームでは、ニューヨークのブルックリンバンクスやポートランドのバーンサイドのような象徴的スケートパーク、あるいはスケートパークとしてはそれほど有名ではないサンフランシスコのアルカトラズ島など、さまざまなロケーションでトリックを決めることができます。

    Tony Hawk は次のように述べます。「ゲーム内に現実空間が再現されることは私にとって重要でした。なぜなら、僕らが上手に表現できるスケートスポットがたくさんあれば、本物のスケーターが楽しくプレイできると思ったからです。今でもよくこんな声を聞きます。『アルカトラズに行ったんだけど、そこのレイアウトは完璧に把握してる。ゲームでたくさんプレイしたからだ』と」

    (没入体験型)アートに刺激される現実世界...

    THPS にとって、没入体験型ゲームはより大きな話題を呼びました。若いゲーマーが現実世界でスケートボードに挑戦するきっかけとなり、スケートボード人気が急速に高まり、2021 年のオリンピック競技種目に採用されることでピークを迎えました。それはちょうど、改良版 Hawk’s Pro Skater 1+2 の続編がシリーズ史上最速で売り上げ 100 万本を達成した 1 年後のことです。当時、ESPN は THPS が「ビデオゲームの在り方を一変させた」「リトルリーグに入りたがっていた子供たちを、スケートボードと少し破れたジーンズを買ってくれと親にねだる子供に変えてしまった」と評しました。

    テクノロジーとゲーミング、そしてスケーティングの要素が相互に作用して、Tony Hawk のよる目のくらむスピンに比肩するような、バーチャルサイクルを生み出しました。技術の進歩によってゲームも進化し、バーチャルボード上でよりリアルな動きができるようになり、その結果、触発された現実のスケートボーダーが実際に挑戦するようになりました。それほどまでに、スクリーン上の動きはリアルで、誰もが驚くものだったのです。そして Tony Hawk と THPS のゲームメーカーたちはインスパイアされ、技術を磨いてより一層の没入感を追求していきました。

    スケートボーダーの中には、トップリーグで活躍することになったプレイヤーがたくさんいます。例えば、2022 年の夏に開催されたX Games の男子スケートボードストリートで優勝したオーストラリアの Shane O’Neill は、Tony Hawk のゲームがきっかけでスケートボードを始めました。やがて、「(O’Neill は)コントローラーを使ってクレイジーなボタンコンボをすることでしか再現できない」トリックを現実世界で実践できるようになった、と Tony Hawk は述べます。

    「私たちのビデオゲームで最も信じられない副産物は、新世代のスケーターがスケートを始めるきっかけになったということでしょう。このゲームに影響を受けてスケートを始めたとか、スケートのプレースタイルに影響を受けたと私に話してくれるプロスケーターが何人かいるんです」。

    そして、テレビが没入感を加速させる

    スケートボーダーたちが彼らの帽子(またはヘルメット)を傾けてビデオゲームへの謝意を表すとしたら、その功績の大部分は、ディスプレイ、つまりリビングルームに置かれたテレビにあるといえるでしょう。

    はじまりは、極めてオーソドックスでした。オリジナル版 THPS は、ブラウン管(CRT)を使った比較的解像度の低い「標準」テレビ向けとして、PlayStation One に登場しました。カラースペクトルは限定的で、ディテールと解像度は今日の基準から見れば原始的なものでした。ところが、その後数年間でテレビ技術が進化し、ゲームは没入感の限界をさらに押し広げることができるようになりました。そして PS3 が登場する頃には解像度も向上し、2000 年代半ばに人気となった最初のハイデフセット(720p)とセットになりました。その後も4K、さらに今では 8K テレビをはじめとする、一層優れたグラフィックスが次々と発表されています。

    「リビングルームでのゲームエクスペリエンスに最適なデバイスは、依然としてテレビでしょう。なぜならより高い解像度やフレームレート、より素早い応答時間を実現し、その他も含め全体的な品質が高いからです。」― MediaTek の TV 事業部マーケティング/製品計画シニアディレクター、Twinson Chan は述べます。

    処理速度の高速化やさまざまな新技術によって、テレビはさらにスムーズでシームレスな映像を、120Hz リフレッシュレートで映し出せるようになりました。これには、MediaTek をはじめとする企業による、洗練されたシステムオンチップ(SoC)設計が貢献しています。ゲーマーにとっては、ゲーム開発者が思い描いたスリリングな没入感をAIで強化された美しい画質で再現されることを意味し、最新世代のコンソール性能の高さを完璧に補完するものとなりました。

    実際にスクリーンを見れば、それは一目瞭然です。初期の THPS はグラフィックも動きも当時にしては信頼できるものでしたが、当時の技術では Tony Hawk やフランチャイズ開発者が望めることは限られていました。そしてテレビやコンソールの技術が進歩するにつれて、そういった夢は叶えられていきました。また、その技術によって古いタイトルを新しいテレビでプレイするために、映像をリアルタイムでディスプレイのネイティブ解像度に合わせることも可能となりました。同様に、AI 対応チップはアップスケーリングで、かつて発生したようなブロック化やピクセル化の問題を軽減してくれます。

    Tony Hawk は次のように述べます。「ゲーム内で私が見たいと思ったものや実現できればと想像したことで、実現が難しいと考えられていたものがあります。そういった意味では、私たちには限界がありました。その最たるものが、ループランプの再現です。当時私が得意としていた動きの一つです。『PS1 では無理だ』といわれていましたが、PS2 が登場し、THPS 2 が現れたことで、実現が可能になりました。」

    フルサークルへ

    今日の家庭用テレビほど、没入体験型エンターテインメントと現実のコミュニティが交差するスクリーンはないでしょう。最新のテレビ技術は、私たちをテレビの前に呼び戻しました。人工知能はこれまでにないほど美しい画質を実現し、特殊なネットワーキングエンジンとともに活用される Wi-Fi 6/6E や間もなく導入される Wi-Fi 7 での接続が、信頼性の高いパフォーマンスと低遅延の接続を保証します。つまり、あなたのゲーム仲間がすぐ隣のソファに座っていようが隣の大陸にいようが、ほぼ瞬時に反応を返すことができるということを意味します。

    MediaTek の TV 事業部マーケティング/製品計画シニアディレクター、Twinson Chan は次のように話します。「リビングルームでのゲームエクスペリエンスに最適なデバイスは、現在もまだテレビでしょう。なぜならテレビはより高い解像度やフレームレート、より素早い応答時間を実現し、品質が総合的に高いからです。」

    実際、複数の人が 1 つの画面の周りに集まり、1 つの目標に向かって協力する「Couch co-op(ソファーコープ)」体験が、再びブームとなりつつあります。もし次に購入するテレビにカメラが内蔵されていれば、リビングルームのチームがバーチャルと現実世界の両方で対決するという、両方の良いとこ取りのようなことが実現する革命が起きるかもしれません。ブラウン管テレビのゲームで育った Tony Hawk にとって、今日のテレビ性能は言葉では言い表せないほど優れています。

    Tony Hawk は述べます。「テクノロジーとその進歩を見れば、MediaTek のような企業が私たちを現実世界でも実現可能なスケーティングに導いてくれるかもしれません。限界などないように思えます。テクノロジーがまさにもっとも熱い時代の中で、すべてが具現化していくことが非常に嬉しいことです」

    各種のテクノロジーが実現することによって、ディスプレイ、オーディオ、AI、放送、接続技術が進歩し、結果的にテレビが没入体験を通して人と人との関係を構築するハブとなり、現実のコミュニティへの回帰が促進されるかもしれません。友人や家族と夕方に集まり、刺激に満ちたエンターテインメントを楽しむという、ゲーム創世期に戻ってみると、多くが変化していることに気付きます。あの古びた箱のような形も粗い解像度も、今はもうありません。その代わり、壁掛けサイズのフラットスクリーンと極めて鮮明な解像度、直感的なレスポンスが確保され、あなたの指先に世界中のゲームコミュニティが待っているのです。

    しかし、そんな没入型のゲームにもいくつか変わらない部分があります。息をのむようなパフォーマンスを目の当りにしたり、深夜にスナック菓子を食べたりしながら、人とのつながりが築かれていく、ということです。フィストバンプ、笑い、そして時にはちょっと口喧嘩をしながら、あなたたちの距離は縮まっていくことでしょう。

    さあ、準備をしてください。バーチャルハーフパイプでは、何が起こるかわかりません。