MediaTek コーポレートバイスプレジデント兼無線通信事業部ジェネラルマネージャー、JC Hsu の EXEC TALK
近年、モバイルゲームのダウンロード数は飛躍的な増加傾向にあり、いまや世界中に 22 億人以上のモバイルゲーマーがいます。当然ながら、彼らはより優れたグラフィックス、一貫してスムーズなゲーム体験、そしてできる限り長くゲームプレイを楽しめることを望んでいます。つまり、私たちのチップには、高解像度のグラフィックスと、ジッター(タイムラグ)のないスムーズで高速なゲームプレイを維持しながら、バッテリー駆動時間を最大化する優れた電力効率性への要求が高まっています。
これを実現することは可能でしょうか？私たちはその実現のために全力を注いでいます。驚異的なグラフィックスと高速な読み込みを生み出すため、プラットフォームに求められることは、CPU と GPU スレッドに対して可能な限り円滑にリソースの最適化を行い、必要となるリソースを予測してフレームレートをスムーズに保つシステムです。もはやディスプレイは仕様が固定されたものではなくなりました。私たちはインテリジェントにしたのです。検出されたゲームのフレームレートに合わせてリフレッシュレートを調整し、電力消費量を抑えてバッテリーの寿命を延ばすことができたのです。
これらは当社の最新の第 5 世代 HyperEngine ゲーミングテクノロジースイートが提供するメリットのほんの一例に過ぎません。
まもなく、当社のレイトレーシング機能で遅延シェーディングを補強し、モバイルゲームにこれまでにないリアルな映像をもたらす予定です。レイトレーシングを使ったゲームは今まで以上、格段にリアルに見えるため、この機能はグラフィックス技術における最も重要なアップグレードの1つとなっています。レイトレーシングは、事前に計算された照明要素を使用するのではなく、シーン内のすべての光線をリアルタイムでシミュレートすることで機能します。しかし、この技術は 16 世紀にドイツの版画家アルブレヒト・デューラー（Albrecht Durer）によって初めて概念化されたことをご存知でしょうか？その後、この技術が Pixar の長編アニメ映画で実現するまでには 500 年近くかかり、そしてゲームに初めて搭載されるまでには、さらに 20 年の歳月が必要だったのです。
Arm と Tencent とのコラボレーションにより、MediaTek Dimensity は、レイトレースされたゲームを高性能 5G スマートフォンで利用することが近い将来可能になり、新時代の先駆けとなります。そして、ゲーム開発者には新しい可能性、そしてプレイヤーにはゲームプレイでの比類ない体験をもたらします。MediaTek のレイトレーシング SDK は、効果的なノイズ除去技術を使用して不規則性を排除して、画質を向上させます。しかし、これですべてが完成したわけではありません。MediaTek にとって、イノベーションが生命線です。私たちは斬新で予想を超えるようなゲーム体験を届けるために、これからも限界に挑戦し続けます。
