5G の恩恵を受けているのはスマートフォンだけではありません。5G を活用することで、家庭やスモールオフィスで、インターネット接続を提供できることはご存じでしょうか?世界中で増加している RFP からスーパーボウル CM の広告サービスの作成まで、通信事業者は家庭やオフィスでインターネット接続のために5Gを活用しています。
アメリカでは 5G 固定無線アクセスシステムに向かうトレンドが見られますが、ヨーロッパでは通信事業者が注力しているファイバーの敷設数が多いこともあり、状況はよりダイナミックです。日本や中東などの地域でも、5G ネットワークの導入が進み、状況は活発化し始めています。あなたがネットワーク内のどこにいるのか、家庭やオフィスにあるアクセスポイントの速度、イーサネットかWi-Fiか、などによって違いはありますが、5G CPE は 100Mbps の速度で利用できます。
現在の 5G CPE 市場には、まだ解決すべき課題があります。1 つ目の課題は、家庭やオフィスのブロードバンドトラフィックの処理です。家庭におけるブロードバンド利用は、モバイル利用の場合と比較してデータ使用量が月間で 8 倍から 10 倍になるという調査結果があります。これは通信事業者がリリース 15(Rel-15)からリリース 16(Rel-16)へと迅速に移行している理由の1つであり、パフォーマンスとカバレッジを改善する 5G スタンドアローン展開の議論が声高に行われるようになっているのです。
2 つ目の課題は、MediaTek などの企業が Power Class 1.5 の実装を通じて取り組んでいる物理的な伝搬特性の実装です。パワーバジェットに関する規制の違いによって、セルラータワーへの送信(アップリンク)よりも、タワーからの受信(ダウンリンク)の方が簡単に行えます。4x4 アンテナによる低帯域は、MediaTek の 5G CPE ソリューションに実装されているもうひとつの利点であり、カバレージと送信電力の課題を克服するのに役立ちます。
MediaTek は先進の 7nm 技術を用いて高度に統合されたソリューションに基づいた、5G と Wi-Fi 接続の両方を含むシングルチップソリューションを提供します。これによって、すべての機器において極めて低い電力消費を実現し、サイズをコンパクトにできます。設計の観点から見ると、これらの 5G CPE デバイスは、デバイスメーカーにとってコストとなる冷却用内蔵ファンの必要がなくなります。内蔵ファンは、機器の耐用年数を短縮する要因にもなります。
固定ブロードバンドアクセスサービスの要件は、5G のハードウェアに関連するものだけではありません。通信事業者はソフトウェアスタックを制御することで、より高度なサービスや優れたユーザーエクスペリエンスを提供できます。他のエコシステムも同様で、ソフトウェア開発を引き受けることで、通信事業者は異なるベンダーが提供する同一の機能をすべて一元化することができます。この方法によって、エンドユーザーエクスペリエンスを向上し、トラブルシューティングの時間を短縮し、アフターサービスを向上させることができます。
現在、5G CPE ゲートウェイとルーターは Wi-Fi 6 と Wi-Fi 6E に対応しており、Wi-Fi 7 がすぐそこに迫っています。対応デバイスの登場は、2023 年末に予定されている Wi-Fi 7 の認証取得後に市販されていくでしょう。